へちかんだグラス

2021/10/13

アンテナショップ「巣まいと暮らしの店トリノスオンラインショップ」で取り扱いをさせていただいている、安土草多さんのガラスのペンダントライト。

吹きガラス。

不均一なガラス越しの光の揺らぎがとても美しい照明です。

さまざまなカタチ、ガラス種があり、オンラインショップでもたくさんのご注文をいただいております。

 

安土草多さんのお父様、とても有名なガラス作家の安土忠久さんです。

日本の美について多くの書を残した随筆家であり、審美眼をお持ちだった白洲正子さんが愛用していた「へちかんだグラス」は、安土忠久さんの作品です。

以前、安土草多さんについて調べた際にこの情報に行き当たりました。

 

白洲次郎さん、白洲正子さんご夫妻。

ご存じの方もたくさんいらっしゃると思います。

以前東京都町田市に住んでいた時期があるのですが、その時に旧白洲邸の「武相荘」に行ったことがあります。

お住まいだった頃の、インテリアや道具などがそのまま置かれていて、ご夫婦のお暮らしぶりが偲ばれる素敵な家でした。

 

「へちかんだグラス」の情報に行き当たった瞬間、白洲正子さんがそのグラスを使っていたであろう武相荘のリビングの様子が脳裏に蘇りました。

その後、ずっとそのグラスが気になっていました。

 

先日、我が家にお迎えしました!

写真では分かり難いですが、吹いたガラスの伸びやかな表情が愛らしく、形はまさに「へちかんで(方言で”歪んでいる”の意)」います。

底の厚みも口部分も、ポテッとしていて。成形されていない個性豊かなグラスたちです。

うーむ、良きかな。

 

白洲正子さんの気持ちをなぞりながら、このグラスで飲み物をいただく。

それが私の贅沢時間です。

 

依田